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「不幸自慢」をやめろというのは酷ではないだろうか?

投稿日:2018年7月29日 更新日:


こんにちは、ヤチヤチルです。

実生活でもSNSでもいいですが、「不幸自慢」を見かけたことはありませんか?

例えば、サービス残業の時間を自慢したり、病気の重さを自慢したりといったものです。

年収自慢や学歴自慢も不毛なことですが、「不幸自慢」は本当にマイナス要素しかないように映りますよね。
やめた方がいい、という意見が多数を占めるでしょうし、それは優しさでもあります。

でも、「不幸自慢」をやめろ、というだけでは酷ではないでしょうか?

 

難病の子の母親同士による「不幸自慢」のし合い

大学生の頃、特別講義か何かで、難病の子の母親2名から難病支援の話を聴く会がありました。
その会で私の中に一番印象に残っているのは、話の内容ではなく、母親同士の「不幸自慢」の場面です。

裏側としての「不幸自慢」

会の特性上、支援の話だけでなく、必然的に自分の子の話も出てくるわけです。
「私の子は○○ができなくてね・・・。」といった具合です。

学生たちがそれを大変だなあと聴いていると、もう一方の母親がそれに被せて「あなたはまだいいじゃない。私の子は△△すらできなくて・・・。」と、自分たちの方がより大変であることを強調してくるんですよ。
それが何度も繰り返されていました。

(どうしても文字だと非常に伝わりづらいのですが、)このやりとりは不幸を漂わせることなく、世間話をするようになされていました
異様な光景でした。
長いこと難病の子を育ててきてで得た達観を持ち、一方でどこか切なさを感じさせるものでした。

後で講義の担当教員に、私の感じたことを伝えたところ、「それが裏側なんだよ。それを踏まえて福祉は考えていかなければならない」、と語ってくれました。

「不幸自慢」はメンタルの松葉杖

母親同士の「不幸自慢」の根底にあるものは何でしょうか?

単なる自慢ではない、ということは分かっていただけたはずです。
私は、つらい状況から自分の精神が崩れないように必死で支える、ということだと思います。
「不幸自慢」がメンタルの松葉杖として働いているのです。

程度の差はあれど、ブラック企業自慢や病気自慢といった「不幸自慢」も、根底は母親たちと同じです。
過酷な環境を生き抜くための生存戦略として、獲得したメンタルの松葉杖なのです。
「不幸自慢」をする人間、いや「不幸自慢」をせざるを得ない人間にとって、今の状況を耐えるうえで欠かせないものとなっています。

単純に「不幸自慢」をやめろとは言えない

「不幸自慢」はマイナスの要素があるのは確かです。
では、単純にやめろというのは果たして「不幸自慢」をする人にとって直接プラスになるのでしょうか?

私はそうは思いません

先ほど述べたように、「不幸自慢」はメンタルの松葉杖となっており、その松葉杖を取り去ることは、身動きを取れなくすることにつながります。
そうなると、「不幸自慢」をする人はメンタルを病んだり、元々病んでいる人はより悪化することとなります。

「不幸自慢」の人には助言だけでなく支援も必要

そもそも、松葉杖を必要としている人は、社会的な「傷病」に罹っているともいえます。
「傷病」に罹っている人から松葉杖を奪うだけの行為をすることは、酷なことではないでしょうか。

では、どうしたらいいのか。
それは適切な支援へ導いてあげることです。

社会保障や福祉制度を紹介したうえで、「不幸自慢」をやめるように助言してあげましょう。

適切な支援がないときは、それは社会の裏側であり、社会全体で考えるべき問題が存在するということです。
何かしらのアクションを起こすタイミングです。

「不幸自慢」との関わり方を今一度考えてほしい

「不幸自慢」はマイナスですし、聞かされる側もつらいです。

一番の理想は「不幸自慢」がない社会を作ることでしょう。
かといって、単純にやめろと言うのは、優しさであっても反対です。

「不幸自慢」がやかましいと思ったのなら、距離を置く、受け流すなど、深い関係を作らないことが良いでしょう。
残酷なようですが、お互いの身を守るためです。
「不幸自慢」の関わり方を、今一度考えてみてください

以上、ヤチヤチルでした。

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同病の妻と手を取り合いながら暮らしています。
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東京大学大学院卒。
IT系企業に就職。1年半で休職、2年で退職。
現在Webライター。
お仕事は、問い合わせ or TwitterのDMにて。


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